『NHKスペシャル ドキュメント太平洋戦争』全6巻

5月、『NHKスペシャル 電子立国日本の自叙伝』全6巻とともに、DVDボックスを購入。

6月28日観了。

先日全6巻を観終わった。この番組が放送された当時(1992〜93年)、現在から振り返ると、日本はバブル崩壊を迎えて、経済的・社会的凋落を始めていた。父親や祖父の世代が踏んだ、あの戦争の「愚行」を振り返るという企画は、敗戦後40年という時間の成熟とともに、ひたひたと迫りつつあった日本の経済的・社会的凋落の予感があったからこそ可能になったのかもしれない。

番組司会の山本肇は、毎回番組最後には、太平洋戦争当時の大日本帝国の愚行と、戦後日本の傲慢さや慢心を重ね合わせ、経済・政治の分野で同じ轍を踏んではいまいかと、視聴者に問いかける。確かに、失われた10年と「小泉改革」の数年を経て、戦後の活力と繁栄を見失い、いまだ出口が見えない社会の現状を見れば、国民や周辺諸国を塗炭の苦しみに追い込んだ愚行について、私たちの社会はほとんど反省していなかった可能性を感じざるを得ない。

同番組の取材記録から構成された書籍シリーズ(角川文庫)も購入したので、折を見て読む予定。太平洋戦争、第二次世界大戦については概略的な知識以上のものがないので、少しずつ蓄積するつもり。